2016. 5.02 MON

Korea UHD On-Air: Korean Broadcasters Demonstrate Progress On ATSC 3.0 At NAB
韓国4K UHD地デジ放送、ATSC3.0実装で様々な付加サービスを披露。
NABでの韓国放送の展示より。

 NABショーの展示フロアにて、ATSC3.0放送パブリオンに韓国の地上波放送局が集結したスペースが設営された。
 KBS、SBS、MBCの韓国地上波3局は2014年から700MHz帯でのUHD(4K)実験放送を実施している。
KBSに関しては2012年からUHD地上波放送の開発に取り組んでいる。 

 米国のデジタル放送方式ATSCの次世代版3.0をベースに、米国よりも先駆けて始める韓国UHD地上波放送は、米国放送市場にとって、ビジネスモデルや実施計画など非常に参考になるものが多いとみられる。

 ATSC3.0対応で何ができるのか。ATSC 3.0は、地上波におけるデジタルテレビ規格の次世代版で、ATSC2.0と同様に放送とブロード バンドを組み合わせたIPベースの放送システムで、4K UHDTV/60pに対応する。
 韓国の地デジ放送局では現在、2017年2月に本格始動させる、電子サービスガイドや緊急警報、VODといった高度なサービスを実装した、商業UHD放送の開始の準備を着々と進めているところだ。
2018年の冬季オリンピックに先立ち、韓国地上波3局は来年早々に商業UHD地デジ放送を開始するわけだ。 

 韓国ブースでは、韓国地上波3局が実際に実地で行っているUHD ATSC3.0放送実験に基づいて構築した実機システムでのデモンストレーションが行われた。
 韓国では2017年2月からATSC3.0 OTA(Over The Air)を開始する予定だ。先駆けてKBSはLG電子と一緒にDASH/ROUTE IPを使って災害放送(EAS)と放送情報案内(ESG)を実装した、エンドツーエンドのUHDライブ伝送を成功させている。
 SBSでも今年1月に、MBCやETRI(韓国電子通信研究院)、そしてLG電子など関連技術企業と一緒に、DASH/ROUTE IPでのUHDライブ伝送をエンドツーエンドで実験している。
 今までは収録済みの4Kコンテンツを使っての実験だったが、1月に行われたのは、ライブフィードを使ったものだった。
 実際にSBS施設内のスタジオにあるスタジオカメラからのライブフィードをIPで冠岳山送信所まで送り、そこからチャンネル53を利用して、ATSC3.0対応復調器/チューナーチップを内蔵したLG電子の4K UHD TVにて受信、映像を再生させた。

ATSCの公式リリースより。

 KBSブースの説明員は、日本で起きた熊本地震のニュースを聞いて、警報や速報について進んで取り組まなければならないと感じていると説明してくれた。
 KBSは災害放送主管放送局である。
決められた放送を行いがら災害関連の速報を帯で流せるのがATSC3.0だ。
消防防災庁と連動して最新情報をポップアップ式でリアルタイムに提供できる。
TV視聴時に自動的に災害放送番組に切り替える技術も実装する。
TVの電源がオフになっているときでも、強制的にTVに災害状況を表示させる技術も可能という。

 今回、LG電子は、KBSとSBSのブースに世界初のATSC 3.0受信チップを内蔵した65インチ4K UHD TVを一般に披露した。
 このATSC3.0対応受信機をそろえKBSとSBSでは、DASHストリーミング方式でROUTE(realtime object delivery over unidirectional transport )プロトコルを使い、DASH方式のコンテンツとNRTデータ(非リアルタイム)のIPストリーミングを実演してみせた。
 LG電子のTVは、セットトップボックスがなくても地上波UHD放送をリアルタイムで受信することができる。
視聴者はTVをインターネットに接続していなくても、地上波アンテナだけで、放送に加えてEASとESGといった様々な付加サービスを受けられる。

 ETRIでは、UHD放送を3Dで楽しむことができる融合型3DTVサービス技術や、昨年のNABで技術革新賞を獲得した階層分割多重(LDM)を拡張した、階層時分割多重化(LTDM)の機能を紹介していた。
 LDMは、地上波RFチャネル内に独立した2つの放送サービスの同時提供を可能にする技術で、LTDMになると、ラジオ放送と移動型HD、4K UHD放送を一度に送信・受信しながら様々なサービスを提供することができるようで、3局が様々なUHD放送に付加サービスを提供するための画期的な技術の1つといえる。
 また、現在ETRIが開発中のオブジェクトベースのメディア処理技術に関しても展示しており、放送キーワード検索では、視聴者が検索ワードで取り出した特定の映像のみ視聴することができるようになるという。 

 MBCのブースでは、サムスンのSUHD TVを受信機として、ディーエスブロードキャスト、カイメディアなど韓国主要メーカーと、4Kカメラで撮影した映像をリアルタイムでエンコード送出しSUHD TVで受信する過程を国際標準のメディア伝送規格MMTベースのATSC3.0放送技術で実証した。
 LDMと組み合わせ、UHDとHDをハイブリッドで送受信させるという提案だ。 

 Editor : 山下香欧

 

 

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